複雑に入り組んだ東京の電車でぐるぐると
鉄道で旅がしたい!!
四十路を半ばに差し掛かりながら、鉄道を目の前にすると、小学生の鉄道への憧れが今でもしっかり湧き上がってきます。
そんなわけで、学生時代から鉄道写真を撮りに全国を飛び回る「撮り鉄」となり、いわゆる撮影名所を巡り、SLを追いかけたりする日々。桜が咲けば花吹雪の舞う中を走る特急にレンズを向け、紅葉に木々が染まれば錦秋の渓谷を行く1両編成の気動車にシャッターを切っていました。
社会人になると、カメラの機材も充実させ、夜行急行から新幹線へ、民宿から温泉旅館へと旅の手段もグレードアップ。それだけでなく、旅先の名物を食べ、伝統工芸品を手にし、名所で様々な体験をするなどしていると、一回の撮影旅行の経費が膨れ上がる一方に。
ゆえに、趣味とする「鉄道」とは、「金」を「失」う「道」と書くのですね。
鉄道旅は東京でも
そんなことをしていても、所帯を持つ時が来ました。当然、時間は自由になりません。自分の楽しみに使っていたお金は、全て生活のためのものとなり、それまでのような趣味に使えることはないと言えるでしょう。
新幹線や特急列車が目の前を通ると、
「ああ、あれで京都や大阪に行きたいなあ」
「東北の桜が見たいなあ」
「夜行列車は楽しかったなあ」
など、ぼやきが頭を支配します。
旅先が決まれば、どのようなルートで行こうか、どの列車に乗ろうか、乗り継ぎは、食事を確保する駅は…。と、分厚い時刻表を手に、夢中になってページをめくっていたころが懐かしくなります。
ある時、Googleの地図を見て、ふと思いました。
「東京にはJR、私鉄、地下鉄、モノレール、都電など、複雑に入り組んでいるので、何通りものルートが作れる」
日常から離れた地域へ列車で行くことが鉄道旅の醍醐味ではありますが、東京でも日常から新発見をしながら多彩な列車で鉄道旅が楽しめると気づいたのです。これは実行しないと。
「8型」「6型」「0型」
鉄道旅の楽しみ方の一つに「一筆書き」があります。出発したら一度も同じ区間を通らず、出発駅に戻ってくる乗り方。それを東京の鉄道でやろうと。
東京ならば、一番簡単な方法が山手線一周。これならぐるりと回れば一筆書き。さらに頑張れば、東京駅から武蔵野線、南武線、京浜東北線でぐるり。これをここでは「0型」と定義します。
しかし、時間とお金の都合で、そうもいかないことも。一部同じ区間を通り、それ以外はぐるりと円を描くように回るのを「6型」と呼びます。また、往復のルートが一部区間で交わるような状態を「8型」としましょう。
仕事の移動で実行
仕事で月に一度、都内の関連施設へ行きます。その際は電車などに乗るので、職場のある品川駅から訪問先の最寄り駅までルートを思案。ここから「8型」「6型」「0型」のルートを見出します。ただ一筆書きでは面白くないので、その周辺にある面白いものを見つけ訪ねるようにしました。
オリンピックなどで世界中から注目の集まる「東京」。日々変わりゆく姿を見守ったり、駅や電車の利用の情報発信をしたり。
鉄道趣味であると同時に、東京の姿を記録する思いも込めていきます。
皆さんと楽しい旅になりますように。